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第3章 マニュアル通りにいかない理由
実際に子どもを産む前に、あなたは子育てにどんなイメージを持っていたでしょうか。他の子ども達をかわいいと思いましたか? 独身の頃、わがままで泣いている子どもを見て「私ならちゃんと育てられる、しつけられる」と思いましたか?
子育ては実際にやってみないとわかりません。ちゃんとできると思っていた子育てが、ちっともうまくいかなかったり。結婚前は保育士をしていた人でさえ、自分の子どもを育てるとなると、なかなかうまくいかないことがあります。逆に、かわいくないと思っていた子どもが、自分の子となるとかわいかったり。この差はなんでしょうか?
二十四時間、約二十年もの長きにわたって向き合わなくてはいけない我が子は、親の自由を奪います。それは寝ている間にも及びますから、生理的にも影響が出ます。なんといっても、子どもは絶対的に母親を求めます。それだけ密接ですから、かわいいし、反面怒りも生じます。これは、無償の愛の裏側にあるものです。愛を大きく感じるならば、その分、怒りも大きく感じるというわけです。つまり、あなたの手に負えない我が子を、他人がうまく扱ったとしても、あなたより優れているわけではありません。あなたよりその子に対する愛が薄いので、冷静に見ることができるからなのです。
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